17日(土)午後11時に自宅を出て2年振りに見に行きました。
外気温は4~5℃だろうと思います。
集落入り口の駐車可能場所は既に一杯で、知人宅に回りましたがここも来客の車で入れなかったので素通りし神社横の空き地に回ると白糸行政区長の姿が見え声をかけると幸いそこに駐車をさせてもらうことが出来ました。
神社境内では採暖用の焚火が既に準備されその周りには見物客の姿も二十数名見受けられました。
○焚火と見物客 この写真を見る
午後11時半にみそぎの準備をするようにふれる太鼓が打ち鳴らされ、本殿では禰宜さんが祭典前の祝詞を一人であげられていました。
◎フレ太鼓 この写真を見る
○祝詞をあげる禰宜 この写真を見る
フレ太鼓を合図に褌姿の禊ぎ参加者が焚火の周りに集まり始め境内は賑やかになります。
○焚火に集まり始めた参加者 この写真を見る
○今年初めての参加と言う子ども(焚火の前でポーズ) この写真を見る
この行事(祭典)は17日夜に準備し18日午前0時に開始される行事ですが、近年は地域の住民も勤め人が多く、休日に開催する必要性が生じ数年前12月の第三日曜日に行うことに変更され、今年は珍しく昔からの慣わしの日の開催となりました。
午後11時55分頃から本殿では宮司・禰宜・神社役員により神事が行われました。
○祭典・修祓 この写真を見る この写真を見る
18日午前0時拝殿前で年男(洗米を担当する三名の氏子)にお払いとお神酒がふるまわれ、引き続いて禊に参加する勢子の人もお祓いを受けながらお神酒を戴き全員揃ったら提灯・松明・洗米用桶を担いだ年男に続いて「オイサッ!オイサッ!」の掛け声を挙げながら禊場へ向かいます。
○お神酒を戴く年男 この写真を見る
○お神酒を戴く勢子 この写真を見る この写真を見る
○桶を担ぎ出発を待つ年男(3桶全部で3升3合) この写真を見る
○先頭を行く提灯持ち この写真を見る
○松明(束にした小竹を燃やす) この写真を見る
◎禊場へ出発 この写真を見る
禊場は、白糸の滝から流れ落ちて白糸集落の中を横切る長野川支流の川付川を腰くらいの深さにせき止め、この日のために白糸集落の人達が禊場として作ります。
禊場につくと禊をする勢子の人たちは円陣になり「オイサッ!オイサッ!」と掛け声をかけながら禊を行います。
◎禊場の様子 この写真を見る
年男は上流の洗い場で宮司や役員の到着を待って洗米を行いますが、決まりがあり少し遅れて洗い場に到着した宮司や役員の数える回数に従い左にかき混ぜ続いて右にかき混ぜまた左にかき混ぜて洗うという洗米の行事を行います。
○宮司の到着を待つ年男と禊者 この写真を見る
○洗米行事 この写真を見る
この頃になると禊を行っている勢子もクライマックスになり7~8名の輪になりお互い水を掛け合い、水飛沫と掛け声が飛び交う背中からは湯気も立ち上がるのがみえます。
10年位前までは筆者も禊に参加していましたが 、この時間が一番厳しく、掛けられた水飛沫は小石を投げつけられるような痛さに感じていました。
幸い今年は外気温が4~5℃だったので、髪の毛や褌が凍るようなことにはなっていませんでしたが、寒が厳しい年は、頭に巻いたタオルや褌が凍ってタオルが垂直に立つような事もありました。
年男は洗米が終わると桶を担いで提灯に続いて拝殿に向かいますが、宮司が洗い場で祝詞をあげる間、役員や禊の人たちは水から上がりません。
○洗米を担ぎ神社へ この写真を見る この写真を見る この写真を見る
○洗米を奉納 この写真を見る この写真を見る
洗米を奉納し終わったころに禊をしていた人たちも境内に戻って焚火で採暖を行います。
○たき火で採暖 この写真を見る
○記念撮影する家族連れ この写真を見る
洗米を釜に移し竹を薪に神前に供えるご飯を炊きます。
○釜とカマド この写真を見る
○釜に洗米を移す この写真を見る この写真を見る
○水加減のチェック この写真を見る
※今年はここまでの取材で帰宅しました。
以降は、2年前の資料で説明します。
釜に移した洗米(3升3合)は枯れ竹を焚き木に約30分強で炊き上げ熊野神社の祭神と隣にある観音堂のお供えを作ります。
お供えは、何れも円錐形に作り、神社用は30㎝の三宝三台に一個宛、観音様の分は約45㎝角の箱(諸蓋?)に九個一緒に盛付けます。
○炊き上がり この写真を見る
○ユリに移されたご飯 この写真を見る
○供飯作り(大きなもの三盛、小さなもの九個作ります) この写真を見る この写真を見る
三宝は熊野神社本殿に備え、諸蓋に盛られたものは神社の隣にある観音様に供えます。
○観音様へのお供え用 この写真を見る
○本殿に供えられた供飯 この写真を見る
熊野神社神前に供えた供飯は翌日早朝、宮司により供飯頂上の飯粒の傾き具合を見て翌年の農作物の出来具合等を占います。
尚、この一連の作業が終わる頃には、コンニャクを千切って炊いた大きな握り飯と手で引き裂いた漬物が参拝者に振る舞われます。(理由はわかりませんが、刃物を使わない慣わしとのこと)
○大きな握り飯 この写真を見る