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小蔵寺(おぐらじ)

it_logo「白糸の滝」を訪れたことがある人は最上段の駐車場から滝の方に向かう途中にひっそりとした寺院があることをお気づきと思います。
この寺は怡土の七大寺の一つと言われる歴史に富んだ古刹ですが、時世の流れや災害で一時廃寺同然になりましたが、二十三年前現住職のご尽力によって現在の場所に復興されました。

小蔵寺の環境等について、現住職の岡公然師に頂いた資料と編者の知っている範囲で少しご案内しましょう。

背振山系羽金山の中腹に位置して緑滴たる森林に囲まれ萬年豊富な流量を誇る名滝白糸滝を抱え標高五百メートル眼下には、糸島の大平野を隔て、玄界灘の島々を一望に納める眺望絶可な清浄な地であります。(資料より引用しました)

数年前の台風で滝の前に「万龍楓」と愛称されていた樹齢300年以上の楓三株の内の一株が四本に分かれた根元から折損し少し寂しくなりましたが、残った二株が十分うっそうとした感覚は味あわせてくれています。
苔むした楓の枝振りが龍が天に昇るように見えるということからこの名がついたようです。

滝を形作る岩も不動明王の尊顔に見えるものや大黒天(見る人によっては毘沙門天)の姿に見える岩があると、興味を持った人の間では言われています。
又、龍が滝の前に下りてきた姿を垣間見たという人もあります。
編者の想像では、滝のしぶきと差し込む光の微妙な関係でみえるのかな~?と思いますが・・・・・
小蔵寺に写真があるとの事ですから住職にお願いすると見せていただけると思います。

夏場は涼を求め滝に訪れる人が多く、そうめん流しが名物になっています。
四季折々の景色の変わりも見ものですし、有志で進められているアジサイの植栽も株が年々増え花の時期は見事な眺めです。
天候がよければ、志賀島・能古島や一部移転が済んだ九州大学伊都キャンパスも遠望できます。

怡土の七大寺についてネット上で少し調べてみました。
寺院名の読み方は間違えたら申し訳ないのでルビはつけませんでした。
どの寺院も千二百年以上前に聖武天皇の勅願寺(天皇が直接建てるように命じられた寺の意味と解釈すればよいでしょう)として建立されています。
現在も残っていることが分かる範囲で紹介します。

it_logo怡土の七大寺
雷山千如寺

前原市大字雷山626

725年にインドの僧清賀上人が開創したと伝えられている古寺で、本尊の十一面千手千眼観音像と大楓で知られています。

※筆者注:現住職にお聞きした話では現存する寺院は「大悲王院(だいひおういん)」と呼ぶのが正式な名前とのことです。

明治時代に行なわれた神仏分離の時、雷神社境内にあった千如寺(千如寺仲之坊金剛頂院とも言う)の観音像等全ての仏像・仏具・経典は現在の「大悲王院」移されたとの事です。

一貴山夷魏寺

糸島郡二丈町一貴山大字一貴山

二丈町の案内ではここに再建された仁王門があり一対の仁王像が残され地域の人で保存されているとの事です。

小蔵山小蔵寺

前原市大字白糸(昭和30年代までは白糸(しらいと)を小蔵(おぐら)と言っていました)白糸の滝のそばにあり案内した通り二十三年前に復興されました。

この寺院と茶店の間に「耳観音様」と言って耳の病に良いという小さなお堂があり年配の参拝者に人気があるようです。

現住職・坊守共気さくな方で地もとの人の人望も絶大です。

今回「柴灯護摩法要(さいとうごまほうよう)」の日に訪れました。
この寺の修験僧により疫病退散を念じて始められたという例年12月18日未明に行なわれる「白糸の寒みそぎ」の行事は滝の下流にある熊野神社の祭典として地元の氏子に引き継がれて、近年はマスコミの報道での紹介もあり近郊だけではなく遠方からの参加者も加わり賑わっています。

熊野神社の横に建てられた「観音堂」もその祭典の時には「寒みそぎ」行事で研がれた米のご飯等が同時にお供えされています。

言い伝えでは小蔵寺の仏像の一部が安置されているとの事ですが、神社の記録が消失している為、行事の由来等の確認は出来ません。

染井山霊鷲寺 前原市大門の染井神社と同じ敷地に存在した大規模寺院だったと伝えられているが、現在は付近に宿坊の地名だけが多く残っているとの事です。
鉢伏山金剛寺 福岡市西区今宿字上ノ原に名残として観音堂のみあるとの事です。
久安寺 二丈町の案内では浮岳神社が後裔だろうと言われ平安時代に作られた仏像三体が保管されています。
楠田寺

前原市東(真方)現在、寺庵(地蔵堂)は残っているらしいが無住になっているとの事。

筑前風土記(1,709年完)にはすでに無住になっていた記述があります。

 平成17年10月30日に柴灯護摩法要(さいとうごまほうよう)を体験してきました kigou体験記